■ 抄録・要旨
| 地方環境研究所と国立環境研究所によるU型共同研究、およびこの共同研究を母体とした環境省環境研究総合推進費5B-1101による研究によって得られたデータから、PM2.5の全国的な状況の把握や地域間比較、高濃度事例の解析、課題についてまとめた。遠隔地におけるPM2.5に着目すると、特に冬季と春季は西高東低の傾向となっており、越境汚染の影響が西日本で高いことが推測された。都市部ではこうした傾向に上乗せされる形で濃度が高くなっており、地域汚染の影響が現れていた。冬季や春季の高濃度事例では、SO42-も西高東低の傾向が見られたが、PM2.5と異なり都市部での上乗せは見られなかった。
夏季の高濃度事例では、冬季や春季と同様の傾向も見られたものの、地域分布が異なる傾向も見られ、国内由来による広域汚染などの可能性も考えられた。
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